愛のない婚約者は愛のある番になれますか?

重なる気持ち 02

 そうして迎えたシルバーウィーク。今回も陸さんの運転で箱根に来ることになった。そして、こちらも今回も変わりなく、陸さんに助手席側のドアを開けて貰うというエスコート付きで。エスコートし慣れてる。それにしても陸さんは結構長距離も運転するので、運…

番の約束 01

 触れていたのはほんのわずかの時間だ。1秒とか2秒とか。だけど、もっと長くに感じたし、離れていく唇に寂しいと感じた。「すまない」 唇が離れた後陸さんが口にしたのは謝罪の言葉だった。そんな言葉いらないのに。「いえ。謝らないでください」「嫌じゃ…

番の約束 02

「ん……んっ」 唇を食べられるんじゃないかと思うくらい激しく吸われ、閉ざしている唇をノックされる。それにおずおずと応えると陸さんの舌が僕の口内を縦横無尽に動き回る。そして僕の舌に絡みついてきて唾液を飲まれる。もう、頭がおかしくなりそうだ。そ…

再スタート 01

 ベッドリネンを買いに行って、ついでに食材の買い出しも済ませようとスーパーで色々見ていると陸さんに急かされた。なんだろう? なにかあっただろうか。それとも食材の買い出しはつまらないだろうか。そう思っていると陸さんが僕の耳元で囁いた。「千景の…

再スタート 02

 千景がヒートになったので俺はリモートで仕事をするようにした。でも、自筆のサインが必要だという書類が何枚かあり、それは会社に行かなければできないことだった。他にもランチ会食なんていうものまであって、早く帰りたいのにと思うけれど、夜の会食じゃ…

エピローグ

 ――5年後「凜、転ぶから走っちゃダメだよ」「大丈夫だもん」 僕と陸さんの間には、凜という男の子が生まれた。番になってから2年後だった。 そろそろ子供でも、というときにちょうど妊娠がわかった。だから陸さんは、空気の読めるヤツだなと笑った。僕…

番外編 01

 ゴールデンウィーク。僕と陸さんは新婚旅行のやり直しをするため、再度ハワイに来た。 ダニエル・K・イノウエ国際空港に着いて、レンタカー会社で車をレンタルしてコンドミニアムのあるカハラまで行く。新婚旅行で来たときはリムジンでの迎えがあった。あ…

番外編 02

 翌日はのんびりする日と決めた。陸さんはサーフィンに行きたいんじゃないかと思ったけれど、本屋さんに行くことになった。先日僕が本を買いに行ったけれど、2人で10冊と少なかったので今日は2人でそれぞれの分を買うことにした。 どれだけ本を買うんだ…