海の青と空の青

はじまりの季節

「だから考えてみてよ。決して悪い話しじゃないと思うけどな。ドラマの原作となると本は間違いなく売れるから、得することはあっても損することはない。脚本が心配かもしれないけど、それは慎重に人選すればそんなに失敗することはないだろうしな。都谷翔とた…

木蓮の花咲く頃

 千屋の勤める、そして俺がよくお世話になっている出版社の50周年記念パーティー。 こういうパーティーは苦手だけれど、デビュー作以来一番俺の作品を出版してくれている出版社なので顔を出さないといけない。 社長の挨拶から始まり、順に社長に挨拶をし…

花雨の中

「進まないなぁ」 パソコンの前にずっと座ってはいるけれど、なかなか書き進められない。 アンソロジーの寄稿。長編ではないのに、何故だか筆が乗らなくて何時間もパソコンの前に座っているのに書けたのは1ページ分ほどしか書けていない。 締め切りまでそ…

薔薇が咲く日

 桜を見に行った後はわかりやすく忙しい。 ドラマの脚本と短編の原稿。原稿だけでも大変なのに脚本も、なんて自分で自分の首を絞めただけなのはわかっている。 それでも、短編の原稿は後少しで終わる。終わると言ってもその後に長編の原稿があるけれど。 …

紫陽花の季節に

 薬井さんという男は意外といい距離感で付き合える。そう思ったのは薔薇園へ行ったあと、再度忙しくなったときだった。 薔薇園へ行ってから1ヶ月ほどは脚本と長編の執筆と慌ただしい日々を送っていた。ドラマの脚本なんて受けなければ良かったとそのときに…

この先の季節も君と

「紫陽花の花言葉って移り気っていうのが有名ですが、一途な愛情という花言葉もあるんですよ。俺、遊びとかちゃらんぽらんな気持ちじゃありませんから。真剣なんです。だから、ゆっくりでいいから考えて下さい」 紫陽花を見て来た日から毎日この言葉が頭から…